Boujou5の致命的なバグだった解決策の新規流用

レンズディストーション(レンズ歪み)を付け加える

Boujou5のLensDistortion補正機能が動作していませんでしたが、2010/6現在Ver5.02では修正されています。
しかし、レンズ補正を行った後に再度、歪みを加えるのためにBoujouに戻すのは面倒だとお考えの方も多いのではないでしょうか。
この方法は元々Boujouのバグを何とかAfter Effectsで解決しようと考えたものですが、レンズ補正に関するバグはフィックスされているので、もう不要かと思いましたがせっかくなのでこのままアップロードしておきます。

Boujouには、撮影時に発生するレンズディストーションを補正する機能と、補正した画像にレンズディストーションを付加する機能があります。レンズ歪みの詳細は後述。この機能が正常に動作していなかったため、せっかくトラッキングしても、合成するときにレンズの歪みを補正できず正確なマッチムーブが出来ないという問題が発生していました。
これを解消する方法を考えましたが、既に解決されているので、この考え方を他に応用することにしました。しかし正確なレンズ補正ではなくあくまでも見た目なので注意してください。応用先へGO!

How about Boujou

日本初! Boujou5のアンオフィシャルサイトです

img_boujou

日本国内には、Boujouユーザーを支援するマニュアルらしいサイトがなく、微力ながら私が作業において解決してきたTipsを書きとめておきたいと思います。日本国内では200ライセンス程度しか発売されていないということなので、ユーザーも市場も限定的です。海外のサイトを見てもVideoCopilotにAEと絡めた紹介があるくらいで本格的なものはないようです。
ですから、サイトがないほうが自然ではありますが、全くないのは寂しいので備忘録的に書いていきます。また、トラッキングに対する基本的な知識もあわせて書いていくつもりです。多少算数の要素もあるので、苦手な人は読み飛ばしてください。
右の画面はBoujou4のものです。新しいBoujou5のインターフェースはこれから順次アップしていきます。

Boujouって何?

このサイトにちょっと立ち寄られた方でBoujouって何?て方もいらっしゃると思いますので少しばかり解説したいと思います。Boujouは、イギリスで開発されたマッチムーブアプリケーションです。 (ちなみにBoujouのサイトに行くと随所にイギリス英語が使われています。)

映画ではこのマッチムーブの技術がなくてはならないものになっています。ではどんなところに使われているのでしょう。
例えば、主人公がビルの屋上で格闘しているシーンなどで、ビルの外側からカメラが狙っているようなシーンです。いったいどこにカメラを仕込んでいるのだろうと思われるシーンでBoujouは使われます。
危険な場所での撮影において、背景をすべてCGで置き換えるというのは常套手段です。基本はメッシュの書かれたクロマキーの背景に、そのメッシュの頂点からBoujouが3次元空間を算出してCGアプリケーションにデータを渡し、CGを作成します。あたかもそこにカメラがあるかのごとく背景を再現するためにマッチムーブは使われています。

使用環境:

Boujouのいいところは、ひとつのライセンスで、Mac、Windows、Linuxでも動くということです。よって複数台のマシンを使っている方は、そのすべてにインストールして、空いているマシンにドングルを差し替えることで作業出来ます・・・。というのはBoujou4までで、Boujou5からは、ドングルが無くなりました。ネットワークのMacアドレス(海外ではフィジカルアドレスとも言うらしいです)とハードディスクのIDを検出し、認証する仕様に変わりました。よって、ノードロックライセンスでは、固定化されたPCでしか作業ができず非常に使い勝手が悪いです。日本の総代理店であるクレッセントさんに何とかドングルを復活させてとお願いしましたが、中国でドングル破りが横行しているようでViconとしては やむにやまれぬ措置だっととのことです。

Boujouを使ってみると分かるのですが、以外に作業時間がかかるということです。 毎日、Boujouだけを使って作業しているという会社は少ないはずですからBoujou専用のマシンを設定することは難しいと思われます。私の会社では無理をいってネットワークライセンスに契約変更しました。 Boujou5用のサーバーは、お役御免になった旧型WindowsXPマシンを復活させました。それとうちの会社のMacG5では動きませんでした。ViconいわくIntelMacかつLeopard環境でコンパイルしているためMacG5とTiger環境では動かないとのことでした。(コンパイルとは、プログラムをコンピュータに読み込ませるための変換のことです)

ネットワークライセンスのインストール時に注意すること

ネットワークライセンスのユーザーの場合、注意点があります。ライセンスサーバー側にウイルス対策ソフトを入れていると、クライアント側のチェックインを受付けてくれないということです。
私の会社では”SOUCENEXT社のウイルスセキュリティZERO”を使っていますが、ファイヤーウォールの設定をすべて開放してやらないと、クライアント側のBoujou5が動きません。ルーターにファイヤーウォールの設定がなされていれば、安心ですが(100%ではない)やはり不安が残ります。という訳で普段Boujouを使用しない時は、サーバーの電源を落とすか(サーバーの役目を果たせない)、別のウイルスソフトに入れ替えるということになります。