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Lumixでマッチムーブしてみよう
ロケハンに活用しよう
昨今のデジカメは、HDが撮れるスグレモノです。ロケハンに行って写真だけでなく、ムービーも一緒に撮っておけば、クライアントにプレゼンするときでもイメージさせやすいですね。そこにBoujouでマッチムーブした映像を貼り付ければ効果的なのは言うまでもありません。
BoujouのCameraPropatiesの設定方法(数学の時間)
Boujouでは全く新規のカメラを使う場合、Filmbackの設定をする必要があります。
カメラの仕様書に撮像面のサイズが書いてあれば簡単ですが、単に3/4型としか記述のないものもあります。
この場合、自分で計算してFilmbackを入力してやる必要があります。
では、先日買ったPanasonicのムービーデジカメLumix FX-70を元に話を進めましょう。
まず、Lumixの取説には、撮像素子1/2.33型CCDと書かれています。
しかしこれだけでは、撮像面の正確な大きさは分かりません。
取説には1/2.33型と書かれていますが、放送業界では通称1/2.33インチと呼んでいます。
このことから1/2.33をインチからミリ換算すると25.4×1/2.33≒10.90で約11ミリになってしまいます。
(1インチは25.4ミリで計算)しかし、このカメラの実際のCCDサイズは、7.6ミリです。
インチとは異なる表記のため「型」という表記になっているのです。地デジ対応横長テレビも通常インチという表現は使いません。
ちなみに、7.6mmというサイズは対角線のことです。
ではこの7.6ミリとはどこから算出したのかということになります。
この数値はPanasonicのサイトでOEM用のCCDを紹介するページがあり、そこに記載されています。何種類かのCCDが記載されていますが、Lumixの最大画素数は4320×3240なので、
有効画素を考えると同じものは1種類しかありません。
型番はMN34570PBというCCDで最大画素数は4368×3256となっています。次に、問題はこのCCDのアスペクトはいくつなのかということです。
4320と3240を約分すると4と3になります。よって、Lumix FX-70に使われているCCDは、アスペクト比「4:3」になります。
三角関数を使う
次に7.6ミリの対角線を持つ長方形の横と縦の線を算出しましょう。
まず、第一段階としてアスペクト比4:3の長方形を対角線で2分割すると直角三角形が出来ます。
横が4で縦が3なので、アークコサインで斜辺につながる鋭角を求めます。
Excelを使って次のように入力してください。
0.643501という数値になったはずです。この数値はラジアン値といって度数表示ではありません。
鋭角の角度が分かれば、スペック表に記載されている7.6を斜辺にしてサインを使って縦の辺を求めます。
答えは 4.560000になります。
さらに底辺はコサインを使って求めます。
答えは 6.080000になります。
では、検算してみましょう。
答えは、7.600000となり、しっかり対角サイズとなっています。
さてここからが問題です。Lumixで撮影するムービーの画角は16:9です。4:3のCCDでどうやって16:9の画像を撮影するのでしょうか?
答えは、簡単です。CCDの左右方向はそのままにして、上下方向を切って16:9の画像を作っています。
では、計算してみましょう。
底辺は先ほど計算して6.08ミリであることは判明しています。
この数値から計算方法は、
6.08:16=y:9
16y=6.08×9
y=54.72/16
y=3.42
よって、16:9の縦の寸法は、3.42mmになります。
Camera Propertiesを開く
さて今度は、BoujouのCamera Propertiesを開いて下さい。 Advancedにチェックを入れるとダイアログボックスが展開します。 ここのFilmback WidthとFilmback Heightに計算値3.42と6.08を入力します。 Lens Squeezeには何も入力しません。するとDisplay Aspectに1.7778という数値が入るはずです。 この数値は、何を示すかというと、画面のアスペクト比を表し、16÷9がこの数値になります。 この数値は720pであっても1080iであってもHDTVでは変わらないので、この数値は覚えておいてください。 ちなみにLens Squeezeは何かというと、アナモルフィックレンズを使ったときのみ使います。 よく見ると、このCamera PropertiesのDisplay Aspect Ratioの囲みは計算式になっています。 Filmback WidthとFilmback Heightに数値を入力すると自動的に計算してくれます。 下段のPixel Aspect Ratioは画素のアスペクト比を示します。ここも計算式になっていてDisplay AspectとImage Aspectが合致すると1になります。 ちなみに、この数値が1以外の数値になっていると、Camera Solveした結果をAfter Effects用にエクスポートしたときにアスペクト比が異なる二つのタイムラインが発生します。(SDTVでは必ず出ます)