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Setup Boujou Camera Preset
カメラ設定ファイルの読み方
では、カメラ設定ファイル「camera_preset.bpc」の中身を見てみましょう。(2010年9月末現在、このファイルは、Viconのサイトやクレッセントのサイトでも行方不明になっています)ちなみに設定ファイルはテキストファイルですので、お気に入りのテキストエディターで開いてみてください。私はWindowsは秀丸、Macの時はMiを使っています。
特にMiを使う時の注意として改行コードを変更しないでください。Miの画面上に改行コードを変更できるボタンがついていて、間違って押してしまうことがあります。改行コードが変わるとBoujouは、正常に読み込んでくれません。デフォルトでは、「CR+LF」になっています。
Varicamの設定
下の記述はデフォルトで入っているHDTV720p用の間違った設定です。 NewPresetCamera { Name "HD (1280)" Width 1280 Height 720 FilmWidthMM 14.7574 FilmHeightMM 8.3007 PixelAspect 1.00004 FocalMM 50 LensDistortion 0 Principal_X 50 Principal_Y 50 FrameRate 23.976 TypeFocal Constant }
で、こちらが正解の設定ファイルです。(名前はVaricam用に修正しています) NewPresetCamera { Name "Varicam30p (1280)" Width 1280 Height 720 FilmWidthMM 9.587331 FilmHeightMM 5.392873 PixelAspect 1.00000 FocalMM 50 LensDistortion 0 Principal_X 50 Principal_Y 50 FrameRate 30 TypeFocal Constant }
HDCAMの設定
これは1080iで誤りのある設定です。NewPresetCamera { Name "HD (1920)" Width 1920 Height 1080 FilmWidthMM 14.7574 FilmHeightMM 8.3007 PixelAspect 1.00004 FocalMM 50 LensDistortion 0 Principal_X 50 Principal_Y 50 FrameRate 23.976 TypeFocal Constant }
こちらが正解の設定ファイルです。(名前はHDCAM用に修正しています)NewPresetCamera { Name "HDCAM (1920)" Width 1920 Height 1080 FilmWidthMM9.587331 FilmHeightMM 5.392873 PixelAspect 1.00000 FocalMM 50 LensDistortion 0 Principal_X 50 Principal_Y 50 FrameRate 30 TypeFocal Constant }
どこが違っているか分かりますか?答えは、Name、FilmWidthMM、FilmHeightMM、FrameRate、PixelAspectです。
そのうちFilmWidthMM、FilmHeightMMは、4:3時代のCCDサイズが使われており16:9用に訂正しています。
クレッセントのサイトでは、2010年1月14日にSONY F23用のプリセットがアップされています。この設定はCCDのサイズが同じなのでHDCAMでも使うことができます。
(CMOSでも素子のサイズが同じであればこの設定が使えます。)
Name、FrameRateは各自の環境に応じて変更する項目です。以下にその内容を示します。
- Nameはカメラの名前を記述します。
- Width HeightはHD解像度を記述します。
- FilmWidthMM FilmHeightMMはCCDの幅、縦を記述します。
- PixelAspect 1.00004はHDの場合は正方形ピクセルなので本来なら「1」のはずですが、なぜか1.00004になっています。HDTVでは、正方形ピクセルなのでここは必ず「1」です。ここが「1」以外の数値になっているとCamara SolveしてAfter Effectsに出力した場合、面倒になります。
- FocalMM 50は焦点距離が50mmだよという意味です。これは後から変更できます。
- LensDistortion 0はレンズ収差つまりレンズのひずみがどれくらいあるかを指します。ここでは「0」となっていますが、これも後から変更できます。というか必ず変更してあげる必要があります。
- Principal_X 50 Principal_Y 50は、縦横の基準点(センター)が50%の位置にあるということを指しています。
FrameRate 29.97は、そのままフレームレートを指します。しかし、ここでは連番ファイルしか扱わないためFrameRate 30にしています。 - TypeFocal Constantは使用しているレンズがZoomするのかどうかを指し、この場合変化しないことを意味します。これも後から変更できるので触る必要はありません。
ちょっと休憩
なぜ、CCDのサイズが違うのでしょうか?これは昔の撮像管時代のビデオカメラの設定から引き継がれています。当時の撮像管の大きさの規格が2/3inchだったということです。撮影面の対角線の長さは、1inchは25.4mmに換算されるので、これをmmに変換すると25.4×2/3=16.9333≒17mmとなりますが、実際のところ対角は11mmだったのです。
その当時の名残で今も2/3inchと呼んでいますが、カタログなどでは、2/3型という表記になっています。
では、なぜCCDのサイズを撮像管の規格に合わせる必要があったのでしょう。これはレンズの互換性を保つためです。当時の放送用レンズは非常に高価で1本300万円もする代物でした。それまで撮像管カメラで使っていたレンズ以外に新たにCCD用にレンズを買うなんてことは、現実的な話ではありませんでした。
今でこそカメラはSONYかPanasonicという時代になりましたが、昔はIkegamiのHLシリーズが市場シェアを占めていましたので、SONYとしてもレンズの互換性を犠牲にしてまで冒険は出来なかったのではと思います。
まとめ
結論として、SD、HD用のCCDの対角は11mmで同じですが、横と縦の比率が4:3と16:9で異なっています。
よってSDの場合は、様々なサイトで記述があるように、横縦のサイズは約8.8mm×6.6mmで問題ありませんが、HDのときは約9.6mm×5.4mmにする必要があります。 この数値はHDCAMでもVaricamでも同じです。これは、CCDの大きさが720pも1080iも同じだからです。(SONYのF950も同様です)
2/3inch 11mm対角の場合の数値 (mm) | |
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Varicam 、HDCAMの設定 | SD 2/3inchカメラの設定 |
9.587331 | 8.8 |
5.392873 | 6.6 |
ちなみデジタルカメラの最高峰でもあるSONYのF35は縦13.28mm×横23.62mm、対角27.1mmでスーパー35mm相当のCCDを使っています。
キャノンのサイトにはフィルムバッグを計算してくれるページもあります。