Setup Boujou Filmbackの設定

1:カメラの設定

Boujouでトラッキングを行うために、まずカメラの設定をする必要があります。ここで取り上げるカメラとは、Boujouが自身で持っている仮想カメラのことです。 この仮想カメラの設定を、実際の撮影に使ったカメラの設定と合わせることによって正確なトラッキングが可能になります。この工程をしっかり行わないと全く使い物になりません。

私の会社では、Varicamをメインで使用していますので、これを中心に話を進めますが2/3インチのCCDを持つHDTVカメラであれば、NTSC圏(フレームレート29.97)でも、PAL圏(フレームレート25)でもほぼ同じ設定です。
まず、最初に行うのがカメラのFilmBackをBoujouにインプットすることです。ムービーでは、フィルムの大きさ、Varicamなどビデオカメラでは、CCDの撮像素子がそれに該当します。
このFilmBackの大きさにより、どのくらいの範囲を撮影しているのかをBoujouに教えてあげる必要があります。

ちょっと休憩 (FOVとは)

fov-aov

前述した、どのくらいの範囲を撮影しているかという点について、単純に「画角」という意味です。
英語では、これをAngle Of View(AOV)といいます。国内でよく使われるField Of View(FOV)とは別物です。
FOVは、レンズを通して得られた実際に写る範囲をあらわし、実視野ということになります。CP6-120
Boujouでは、画面に写っている様々な特徴点から座標を算出しています。座標を算出する基準としてどのくらいの画角(距離とか大きさ)があるのかを知る必要があるのです。画角が分からなくてもトラッキングは出来ますが、実写素材と合成したときに滑ってしまいます。

2:設定を入れる

boujou_camset1

さて、BoujouにVaricamの設定を入れてみましょう。Boujouには、デフォルトで様々なカメラの設定が入っていますが、Varicamで30pで撮影した場合の設定は入っていないため作成する必要があります。右の図は私が作成した設定ファイルを反映させた後の状態です。
しかし、悪いことにBoujou Ver4では、HDTVカメラ全般においてFilmBackの設定に誤りがあり、訂正する必要があります。この件については開発元の2d3でも気がついていないようです。Boujouのサポートサイトにカメラ設定が載っていますが、数値がまったく違います。最終更新が2005/11/29になっているので、世界中の誰も気づいていないということなのでしょう。もしそうだとすれば、トラッキングが滑って(微妙にずれて)うまくマッチしないものもあったのではないでしょうか?
私が日本の代理店であるクレッセントに連絡して訂正してもらうようお願いしてありますが、未だ修正されていません。
というより設定ファイル自体行方不明になっています。(2009年9月末現在)修正版Boujouカメラ設定(右クリックで対象をファイルに保存)

preset

FilmBack設定は、私が修正したものをアップロードしましたので、上記リンクからダウンロードしたファイルを使ってください。Edit>Preferences>Import>Preset Camera File Location でカメラ設定ファイルであるpreset_cameras.bpcを入れたフォルダを開き選択するだけです。これにより、デフォルトで設定されていたファイルを上書きして変更します。
ただし、設定はVaricamの2/3型CCD用とP2カードカメラHVX-205Aの1/3型CCD用です。HVX205Aは720p用に2種類作成しました。さらに、フレームレートはVaricamについては60p、30p、24pの3種類です。HDCAMは30iの1種類のみ。CineAltaは24p(1080)のみです。CineAltaで30pが必要な場合とか、720で撮影することはまずないでしょうが、もしあれば適時変更してください。変更方法は次のページを参照してください。また、CineAlta最高峰であるF35については未対応です。
そして今回、新たにデジカメ用の設定も加えました。機種はPanasonicのLumix FX-70用です。720P30が撮影できるのでロケハンで撮った映像をプレゼン用にマッチムーブした映像をはめ込む場合は重宝します。
なお、修正版のカメラ設定ファイル「preset_cameras.bpc」を使用しての事故に関して当方では責任を負いかねます。ご自身の判断により使用してください。必ずテスト撮影を行って数値が正しいかどうかの判断をしてください。